2023.04.19

「絵本とのつきあい方」 2～3才のお子さんにおすすめの絵本-

2才の子へのおすすめ絵本

2023年3月に「絵本とのつきあい方　2～3才の場合」で、2～3才のお子さんと絵本についてご紹介しました。（記事はこちらから▶）
では、実際に、2～3才のお子さんに読んであげる絵本は、どんな絵本がいいのでしょうか。

童話館がおすすめするのは、

・くり返しのお話
・言葉のリズムが楽しい
・登場人物に共感しやすい

絵本です。

2才のお子さんだと言葉への興味がでてくるころでしょか。
親のまねをしてみたり、覚えた言葉を何度もくり返したり、と、かわいいけれどちょっと静かに、と言いたくなる、なんてこともあるかもしれませんね。また、お友達はよくおしゃべりするのに、うちの子は言葉があんまりでてこなくて…、と悩んでいる親御さんもいらっしゃるかもしれません。
言葉がでてくる時期はお子さんによってもそれぞれですし、あまりおしゃべりしないお子さんでも、言葉は理解していてあとは話すだけ、と話す準備をしている場合もあります。ぜひ、お子さんにたくさん話しかけて、たくさんの言葉にふれさせてあげてください。

さて、言葉はくり返しふれることで、身近になり、そして身についていきます。そのため、2～3才のお子さんには、「くり返し」のお話をおすすめしています。また、ストーリーも少しずつ楽しめるようになってきますので、お子さんが登場人物に共感しやすいことも大切です。

そんな要素をそなえる絵本として、まずご紹介したいのは『おおきなかぶ』です。

言わずとしれたロシアの昔話ですね。
おじいさんが植えたかぶが大きく育ち、なかなか抜けません。おじいさん、おばあさん、孫娘、とどんどん登場人物が増えていきますが、場面は、ずっと同じで「おおきなかぶ」。“かぶをぬく”というくり返しなのに、登場人物が増えることでお話は展開していく。小さい子でも無理なく楽しめる名作ですね。「うんとこしょどっこいしょ」のかけ声も楽しいですので、「童話館ぶっくくらぶ」の会員の方からも人気の1冊です。

次にご紹介したいのは『14ひきのあさごはん』、「14ひきのシリーズ」の1冊です。
こちらもとても人気のある絵本ですので、ご存じの方も多い、14ひきのねずみの家族のお話です。
10ぴきのきょうだいたちには名前があり、個性豊か。子どもたちが朝起きる場面でも、くんちゃんの枕元にはトレードマークのリボン、よっちゃんのベッドの柵にはぼうし、床の上ですやすや寝ているにっくんのそばの手すりにはお洋服があり、ちゃんとだれがどの子かわかるようになっています。どの場面も文章は添えてあるだけ、絵を見れば、その子の個性も何が起こったのかもわかります。これぞ「絵」を読む「絵本」の真骨頂ですね。10ぴきのきょうだいたちのなかには、きっと自分と似ているあの子がいて、憧れのあの子がいることでしょう。お気に入りの子を見つけて楽しんでほしい絵本です。

そしてもう1冊。知らない人はいない⁉『はらぺこあおむし』です。
この絵本は色あざやかでしかけのある絵本なので、1才前後のお子さんを持つ親御さんからもよく「うちの子が大好き」というお声を伺います。では、なぜ、「童話館」では、2～3才のお子さんにすすめているのか。
それは、卵からあおむしが生まれて、成長して、さなぎに、そして美しい蝶としてはばたく、その自然の過程をなんとなく理解しながら楽しめるのは、2～3才ぐらいになってから、と考えているからです。穴が開いているのを楽しむ、もちろんそういう楽しみ方もありますが、やはり、蝶の成長過程が描かれていることもあわせて楽しんでほしいのです。1冊の絵本でも年令が違えば楽しみ方も異なります。ぜひ、絵本の本質を楽しめる年令で、その絵本と出会ってほしいと思います。