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「絵本とのつきあい方」 3~4才のお子さんにおすすめの絵本


3-4才のおすすめ

 

2023年5月に「絵本とのつきあい方 3~4才の場合」(記事はこちらから▶)で、お子さんにとって、ファンタジーの絵本に出会うことの大切さについてご紹介しました。
今回は、童話館がおすすめする、3~4才のお子さんに出会ってほしい、ファンタジーの絵本をご紹介します。

 

まず、ファンタジーの絵本、といえばやっぱりこれ、『かいじゅうたちのいるところ』。

かいじゅうたちのいるところアメリカの絵本作家、モーリス・センダックの代表作で、20世紀最高の絵本のひとつと言われています。2009年には映画化されましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

マックスが放りこまれた寝室に次々と木が生え、葉が茂り、まるで森や野原のようになり、そのうえ、波までうちよせてくる。これぞ、ファンタジーですね。想像の世界では、部屋の壁も窓もないのが当たり前。いくらでも、世界をひろげていくことができます。また、登場するかいじゅうたちの表情はひょうきんで、愛嬌があり、マックスと一緒にかいじゅうおどりをしてくれます。かいじゅうは本来、こわものですが、この絵本ではこわい存在としてではなく、マックスを王様のように扱ってくれるやさしい存在です。この「かいじゅう」が何を(だれを)投影した存在か、など、さまざまな考察がされている絵本ですが、子どもにはそんなことは関係ありません。ただただ上質なファンタジーの世界をマックスと一緒に旅をして、かいじゅうおどりを楽しんでほしいと思います。

 

次にご紹介するのは、『もりのなか』。

もりのなかこちらも名作と名高い絵本です。白黒の絵が、森のなかにいる、というふんいきをより伝えてくれ、ファンタジーの世界であることをわかりやすく教えてくれます。散歩の途中で次々に出会う大きい動物と友だちになり、男の子は行列の先頭を歩いていく…このシーンは、動物たちと友だちになりたい、大きなものをしたがえたい、という子どものあこがれそのものですね。そして、男の子を現実に連れ帰ってくれるお父さんは、男の子の想像の世界を否定するのではなく、「またこんどまでまっててくれるよ」と、ちゃんと受け入れてくれています。お父さんのように、想像の世界を受け入れながらも、現実世界へと引き戻してくれる存在として、想像の世界で遊ぶお子さんを見守ってあげてください。

 

最後にご紹介するのは、『ベッドのしたになにがいる?』。

ベッドのしたにこの絵本は、おじいちゃんが孫たちにおばけなどのこわいお話をする、という、子どものこわいけど知りたい、という気持ちを満たしてくれます。また、おじいちゃんのこわい話にはユーモアがあり、さらにはちゃんとオチが用意されているので、子どもたちは安心してこわがることができるでしょう。そして、ちゃんとこわがることができるのは、おじいちゃんが話す架空の存在を想像することができているから、ですね。むしろ、想像力がたくましい子のほうが、よりこわくなってしまうかもしれません。けれど、“こわい”という感情を体験する(知る)ことは大切ですので、ファンタジーの世界で“こわい”体験をして、心を鍛えてほしいと思います。

 

いかがでしょうか。
ファンタジーといっても、絵本が伝えてくれることはそれぞれ異なります。けれど、共通するのは、現実ではない世界や存在を“想像する”こと。そうすることで、どんどん想像する力は育ち、心の世界は豊かになります。さまざまなことを想像し、心の中に色鮮やかな世界を、子どもたちにはつくってほしいですね。

ご紹介した3冊はいずれも「童話館ぶっくくらぶ」の「小さいくるみコース(およそ3~4才)」で配本しています。他にも、3~4才のお子さんに楽しんでほしい、おすすめの絵本を取りそろえていますので、ぜひ、「童話館ぶっくくらぶ」の配本コースもご覧ください。(配本コースはこちらから▶

 


かいじゅうたちのいるところ『かいじゅうたちのいるところ』

 作:モーリス・センダック
 訳:じんぐう てるお
 冨山房

もりのなか『もりのなか』

 文・絵:マリー・ホール・エッツ
 訳:まさき るりこ 
 福音館書店

ベッドのしたに『ベッドのしたになにがいる?』

 文・絵:ジェームズ・スティーブンソン
 訳:つばきはら ななこ
 童話館出版(詳しくはこちら▶

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