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絵本とのつきあい方 6~7才の場合


絵本とのつきあい方6才

 

6~7才といえば、小学1年生になる年令ですね。子育てのひと区切りといった感じでしょうか。
学校での集団生活が始まり、友だち関係がより深まり、親には内緒の友だちとの秘密などをもったりすることもあるかもしれません。そしてできることが増えた子どもたちは、困難を自分の力で乗り越えようとしたりもしますね。また、さまざまな体験や経験をとおして、精神的にも成長して、自分と他者の気持ちに思いをはせられるようになっていきます。
そんな時期の子どもたちには、背中をそっと押してあげられる絵本・本を手渡してあげたいと思います。

まずご紹介するのは、『エルマーのぼうけん』です。
エルマーのぼうけん昔から読み継がれているこの児童書をご存じの方はたくさんいるでしょう。(詳しくは本年最初のブログでご紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。▶こちらから
竜の子のために勇気をだして、冒険の旅にでるエルマーの活躍を描いたこの本は、子どもたちに友だちのために勇気をだすことの尊さと、困難を乗り越えるためには智恵が必要であることを語ってくれますが、そのことを意識するひまもないほど、ワクワクドキドキのエルマーの冒険に夢中になってしまいます。お話の楽しさに夢中になっているあいだにも、大切なことが語られている。だからこそ、これほど長いあいだ、子どもたちに愛されているのでしょうね。

 

 

 

 

次にご紹介したいのは、『ぼくはワニのクロッカス』です。
クロッカスワニのクロッカスは、自分の見た目で他の人から怖がられることがわかっていたので、木のうろに身を隠していました。ある日、うさぎにしっぽを見られたクロッカスは、あひるのバーサに声をかけます。“こわがらないで、はなしたいだけ”、“日のひかりがこいしい。花が見たい”と言うクロッカスをバーサは納屋にかくまってあげることにしました…。

あひるのバーサのように、見た目で判断せず、その内面を見るのはとてもむずかしいことです。そして内面を知るためには、会話や思いやりが大切なことを、ふたりは教えてくれます。だれかを排除するのは簡単ですが、バーサのように、受け入れる努力は忘れたくないですね。そして、ワニ、というだけで怖がられることを知ったうえで配慮ができるクロッカスのやさしさと、他人と仲よくなるために行動できる強さは、きっと子どもたちに励ましを与えてくれるでしょう。

 

最後にご紹介するのは、『しずくのぼうけん』です。
しずくのぼうけんこの絵本も昔から親しまれている、子どもたちに、自然の営みをわかりやすく語ってくれる絵本です。ひとつぶの雫が蒸気や氷にと形を変えたり、地面にしみ込んだ雨が川へ流れ、さまざまな場所をとおって、水道水となる…、そんな自然科学を、雫の旅をとおして、知ることができます。少しずつ、私たち人間をとりまく自然や環境への興味がでてくる時期に、物語として楽しみながら知ることができたらいいですね。

 

 

ここでお願いがひとつ。小学校へ入学しても、まだまだ絵本・本は大人の方が読んであげてください。もう小学生だから子ども自身で絵本・本を読めるようにしたい、という気持ちはよくわかります。けれど、まだ読む力よりも聞く力の方が強いですし、読みながらそのお話の世界を想像するのはむずかしいことです。せめて、小学校の中学年になるまでは絵本・本は読んであげてください。読み聞かせの時間も残りわずかです。その時間をぜひ、親子で楽しんでください。

 

ご紹介した3冊は「童話館ぶっくくらぶ」の「大きいさくらんぼコース」(およそ6~7才)にラインナップされています。その他にもおすすめの絵本がたくさんありますので、ぜひコースのご案内をご覧ください。 ▶「大きいさくらんぼコース」(およそ6~7才)

 


エルマーのぼうけん『エルマーのぼうけん』

 ルース・スタイルス・ガネット/作
 ルース・クリスマン・ガネット/絵
 わたなべ しげお/訳
 福音館書店

 

クロッカス

『ぼくはワニのクロッカス』

 ロジャー・デュボアザン/作
 今江 祥智・島 式子/訳
 童話館出版▶詳しくみる

 

しずくのぼうけん

『しずくのぼうけん』

 マリア・テルリコフスカ/
 ボフダン・ブテンコ/
 うちだ りさこ/
 福音館書店

 

 

 

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