「新生活・新学期」

3月下旬となりました。少しずつ春らしく過ごしやすい気候になってきましたね。
春といえば、入園や入学、就職など新しい環境になる方もたくさんいらっしゃると思います。ドキドキワクワク期待に胸をふくらませていたり、少し不安だったり、きっとさまざまな気持ちを抱えていることでしょう。
そんなこの時期におすすめしたい1冊は、『こんにちは といってごらん』(「大きいさくらんぼコース」およそ6~7才)です。
ねずみのバネッサはひっこみ思案で、だれかが家にたずねてきても、ソファーの下にかくれて、あいさつをすることもできません。そんななか、学校に行くことになったバネッサでしたが、はじめは手をあげて発表することもできず、誰かと話をすることもできず、さびしい気持ちになります。家に帰ってそのことを話すと、お母さんは「こんにちは といってみるのよ」と言います。
そして次の日、「こんにちは」と話しかけてみるのですが…。
その後バネッサは、何度か友だちに話しかけたり、授業では勇気をふりしぼって手をあげたりと少しずつ変わろうと努力をします。
そして、発表がうまくいったことで、先生にほめられてきぶんも変わり、またその発表がきっかけで友だちをつくることもできます。
最後は「友だちって、すてきだわ」としみじみ語るバネッサをみていると、ソファーの下にかくれていた以前とはまったく違う表情をしていて、自信に満ちあふれているようすが絵からもよく伝わってきます。
私自身もひっこみ思案な性格だったので、バネッサの気持ちがよくわかります。
バネッサと同じように答えがわかっていて手をあげたいけど…、ということも何度もありました。家に帰りながら、心のなかで「明日こそはぜったい手をあげよう」と思っていたのですが、なかなか実行できず…。
もし子どものころにこの本に出会っていたら、何か変わっていたかもしれないと考えたりもします。
わが家ではこの時期になると、この本をリビングの本棚に表紙を見せて置くようにしています。子どもたちへの励ましの気持ちをさりげなく込めているのですが、私自身も手にとって読み返し、バネッサから勇気をもらっています。
誰でも友だちをつくったり、新しい人間関係を築いたりするのは簡単なことではありませんね。そんなときに、少しの勇気を持つことや諦めないことを教えてくれる1冊です。
たくさんの出会いがあるこれからの時期に、ぜひ手にとって読んでいただければさいわいです。
(担当:Y)
『こんにちは といってごらん』
マージョリー・W・シャーマット/作
リリアン・ホーバン/絵
さがの やよい/訳
童話館出版 ▶詳しくみる
「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「大きいさくらんぼコース」(およそ6~7才)
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