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夏目漱石を知る日 -漱石の日 2月21日


漱石の日

 

221日は、「漱石の日」です。
1911221日、当時の文部省が夏目漱石に文学博士号を授与しようとしたところ、漱石が「自分には肩書きは必要ない」と辞退したことに由来し、制定されました。

 夏目漱石といえば、日本を代表する文豪のひとりです。『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『草枕』『こころ』など、読んだことはなくても、有名な作品のタイトルを思い浮かべることはできるでしょう。

「童話館ぶっくくらぶ」では、漱石の代表作のひとつ『坊っちゃん』と漱石の人となりを知ることができる『江戸っ子漱石先生からの手紙 一〇〇年後のきみへ』の2冊をラインナップしています。

 

漱石先生からの手紙

今年度より「小さいジュニアコース(およそ13~14才)」に仲間入りした『江戸っ子漱石先生からの手紙 一〇〇年後のきみへ』は、手紙のやりとりが好きだったという漱石が、学生時代から晩年までに書いた手紙を紹介しながら、その生涯をたどっていく1冊です。

学生時代の友人と冗談を言い合う手紙や、妻や子どもたちへの愛情が込められた手紙などからは、生き生きとした漱石の人となりが浮かびあがってきて、親しみさえ感じます。なかでも、教え子や門下生を激励し、困難な状況にある時にはなんとか力になろうと言葉を尽くす手紙は、頼ってくる人を放っておけない漱石の人情味をまざまざと感じることができ、私は特に好きです。

一方で、精神状態が安定しない時には、家族に当たり散らしてしまう一面も描かれていて、決して完璧ではない人間くさい漱石の姿も知ることができます。

ただ、漱石は自分自身の負の部分をしっかりと見つめようともしていたようです。その上で、自分を含めた人間と社会の、清濁あわせもつありのままの姿を自分の作品世界で描くために、博士号という名声を得るよりも、ひとりの人間として生きていきたいと考えていた、そう思います。

そんなふうに人の本質を真摯にとらえた漱石が遺した作品だからこそ、明治、大正、昭和、平成、令和、と時をこえても、色褪せることなく、人々の心に響き続けるのでしょう。「文豪」としてではない、ひとりの人間として生きた漱石の作品・文章に、この機会にふれてみてはいかがでしょうか。

 

(担当:U)

 


漱石先生からの手紙『江戸っ子漱石先生からの手紙 一〇〇年後のきみへ』

 渡邉文幸/作
 マット和子/絵
 理論社

 「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「小さいジュニアコース」(およそ13~14才)

 

 

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