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童話館スタッフ思い出・イチオシ この1冊 第16回


 

私のイチオシの絵本は『ジャスミン』(「大きいりんごコース」およそ1011才)です。

10才ごろは、自分で考える力が育ち、客観性も高まっていく思春期の入り口。自分のことをふり返ってみると、まわりと比べて落ちこんだり、モヤモヤが生まれたり、そういうことを感じはじめる年ごろだったなと思いだします。

 

めうしのジャスミンは、農場で羽飾りのついた帽子を見つけ、かぶった自分の姿を気に入ります。農場の動物たちはその姿を見て大笑いし、みんなと違うことをするジャスミンを否定します。しかしジャスミンははっきりと答えます。

「わたしは、わたしが こうしていたいと思うように するわ。だれにだって、その人らしさというのが あるはずですもの」

 帽子をかぶったままのジャスミンに、動物たちは陰口をたたきます。しかし、猫のコットンだけは言います。

「人それぞれさ。でも、そうするには 勇気がいる。ジャスミンには、その勇気があるよ」

 

ジャスミンは、目立とうとして帽子をかぶっているわけではありません。猫のコットンが、「勇気がいる」といったように、自分を持ちつづけることはむずかしいときもあります。
「自分がそうしたいと思うこと、楽しいと感じること、つらいと感じること…」
そうしたことのすべてを含め、自己肯定とは少し違う、どんな自分も自分のものだと、大きく包まれているような感覚をジャスミンは持っていると思います。

 

まだ農場の動物たちとのお話には続きがありますが…。
どの年代の方にもすすめたいと思う絵本です。

(担当:K)

 


 『ジャスミン』

  ロジャー・デュボアザン/作・絵
  さがの弥生/訳
  童話館出版 ▶詳しくみる

  「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース  ▶「大きいりんごコース」(およそ10~11才)

 

 

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