童話館編集部スタッフ思い出・イチオシ この1冊 第2回
子どものころ、母に寝る前に絵本を読んでもらうのが日課でした。
私が、よく読んで、と言っていた絵本は『おおかみと七ひきのこやぎ』だったそうですが、私の印象によく残っているのは『めんどりかあさん』という絵本です。
この絵本は引っ越しで手放してしまい、今はもう手元にはありません。
もう一度読みたいと思い、書店などで探したのですが、すでに絶版になっていて、この絵本を手にすることはできませんでした。
もう再会することはないんだろうなと思っていたのですが、入社時の面接で、『めんどりかあさん』の話をしたら、
「それは、うちが出版している『おとなしいめんどり』のお話ですね。ひよこはでてこないけど」
と言われたのです。
まさか、面接にきて、思い出の絵本が見つかるなんて‼
でも、題名が異なることやひよこたちがでてこないことに、私の記憶違い?と不思議そうにしていたら、
「もとはイギリスの昔話で、出版社によって内容や題名が少し違うんですよ」と教えてくれました。
入社後、まっさきに手にした絵本は、もちろん『おとなしいめんどり』です。
『めんどりかあさん』とは、こまかい描写は異なりますが(『めんどりかあさん』では、めんどりかあさんとひよこたちで種を植え、小麦を育てます)、懐かしい絵本に出会うことができ、とても嬉しかったです。
“家族は助け合って生きていくもの”、と語ってくれる、この絵本。家族だけではなく、仕事でも、助け合い、支えあって、暮らしていきたい、と思います。
(担当:S)
『おとなしいめんどり』
作 ポール・ガルドン
訳 谷川 俊太郎
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