祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

1999年7の月…

 

ブログのタイトルをみて「あった あった」と思った方。

 

そうです。ノストラダムスの大予言。

この奇妙な予言(知らない子は大人にきいてみて…)

が騒がれていた1998年。

来ないかもしれない未来の進路希望に

「不明」と書いて担任に呼び出されたさくら。

そんな場面から物語は始まります。

つきのふね / 森絵都・作 / 講談社・発行

 

 

中学生のさくらと梨利は 世の中をかったるいと思いながらも

それなりに楽しく過ごす ごく普通の中学生。

仲良しのふたりと、

そこについてまわるおせっかいな男の子 勝田君。

 

三人の平凡な日常は ある日突然…ではなく

じりじりと、不穏なものになっていきます。

 

 

 

仲間外れ、万引き、くすり、放火…

 

思春期の平和な毎日には

ちょっと目線を変えただけでも無数の黒い誘惑や闇があること。

たとえ大人からみれば「そんなこと…」と思うような些細な出来事も

ものすごく大きなピンチになってしまうこと。

 

そんなことをぐるぐると考えさせられました。

それと、この話にはサトルさんという

タイトル「つきのふね」の核となる男の人が出てきますが、

危なくてもろいサトルさんを見ていると

大人だって全然完璧じゃないんだ と言われているような気になります。

 

ラストはハラハラと苦しくなる展開が。

1999年の全人類を救う「つきのふね」は本当にくるのか?

 

ぶっくくらぶでは14歳~15歳のコースに入っていますが

その先のどの世代が読んでも楽しめる1冊です。

 

☽スタッフⅯでした☽