祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

アルド・わたしだけのひみつのともだち

先月に引き続き、ジョン・バーニンガムさんの絵本を・・☆

子どもの頃、自分にしか見えない友だちがいたことはありませんか?

困った時に勇気を与えてくれる、お守りのような存在・・・

そんな心の友だちを描いた絵本を、

久しぶりに読み返してみました!

和洋両訳で、ご紹介します♪

左「アルド・わたしだけのひみつのともだち」ほるぷ出版 ジョン・バーニンガム・作/谷川俊太郎・訳
右「ALDO」輸入卸・絵本の家 洋書ペーパーバック版

出だしは、主人公の少女のセリフから・・・

・わたしはひとりきりで すきなように ときをすごすことがおおい

・I spend a lot of time on my own

孤独さを、aloneやlonelyでなく、

自由と意志を感じるon my ownと

表現しているのに、おっ?と思います。

 

2回目に使われるセリフでは、

・でも またひとりになる

・But then I`m on my own again

同じ言葉でも、少女の寂しさが少し

垣間見えて、また違うニュアンスに!

谷川俊太郎さんの訳が、シンプルな表現を

より引き立てています☆

 

そして何と言っても、いくつかの

文字なしの見開きページが圧巻。

少女の心の情景にマッチした

背景が見事です・・!!

 

合間合間に出てくる、辛いことがある度に

アルドが連れて行ってくれる世界・・・

現実から少し逃避している楽しい時間を描いた、

美しくも不安なこの数ページに、

ハッと胸を突かれます。

他にも、見えない友だちを描いた絵本は

たくさんありますが、この切実な感じは、

ジョン・バーニンガムさんならではかも☆

 

子どもはもちろん、

今でも時々アルドに会いたい、

大人の方にもおススメです♪

ちなみに、作者は捨てられたウサギを本当に飼っていたらしいのですが、アルドとは全く違う性格の、周りを威嚇するタイプだった・・・というエピソードが面白かったFでした~