祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

日本の神話

たまに、海外在住のお客さまから、

子ども向けの日本の神話を・・という

ご依頼があります。

日本に住んでいたら、

その土地の神社や日頃の行事などで、

自然と身近に感じる神さまですが、

外国ではなかなか触れる機会が

ないかもしれませんね。

 

旅先でよく、その土地ゆかりの神社や

パワースポットをチェックするのですが、

以前、神話の里と呼ばれる、

宮崎県の高千穂地方を訪れたことがあります。

その時に観た、高千穂神社の夜神楽を

今でもよく覚えています。

天の岩戸伝説を元にした神楽で、

観客も笑ったり、一緒に参加したり。

時には怖くて、時には人間的な神さまたちに、

何だか親しみを感じてしまいました。

地方でもその土地に根付いた神話が語りつがれ、

人々の生活の一部になっていたりしますよね。

 

「日本の神話」のら書店
松谷みよ子・文/司修・絵

童話館ぶっくくらぶの小学校高学年向けコースにも

入っているこちらの本は、松谷みよ子さんによる

「古事記」の上巻、「風土記」「日本書記」の中の

国が生まれた頃の神々のお話を

わかりやすく編さんした、入門にふさわしい1冊。

「国生み」「黄泉比良坂」「天の岩戸」など

19編が入っています。

「子どもに語る 日本の神話」こぐま社
三浦佑之・訳/茨木啓子・再話

こちらは、もう少し下の年令のお子さんに

読んであげることを前提とした、古事記からの10篇。

巻末に、それぞれの話について、語り手へのアドバイスあり。

イザナギとイザナミの国生み、スサノオとヤマタノオロチ、

稲羽の白ウサギ、海幸彦と山幸彦、ヤマトタケルなど。

神さまたちの名前が若干なじみづらいですが、

大人でも知らず知らずのうちに、

恋と冒険の物語に惹き込まれてしまいそう!

「神話」について語っている序章もよいです。

 

「日本の神話ー全六巻ー」あかね書房
赤羽末吉・絵/舟崎克彦・文

読み本タイプばかりご紹介してきましたが、

こちらは絵本で全6巻。

国際的絵本作家の赤羽末吉さんの繊細で美しい絵と、

舟崎克彦さんの確かな取材に基づいた物語で、

絵本の枠を超えて、資料としても貴重な作品。

子どもから大人まで、壮大な神話の世界へ

いざないます。

 

日本の神話を題材に、想像をふくらませて

より大胆な物語に仕立てたファンタジー作品も

たくさんありますね。

いつか機会があれば、またご紹介したいと思います♩

 

日本の神話を歴史と混同することなく、

むかし話をたいせつに思う心と同じように、

たいせつにしたい・・・という

松谷みよ子さんの言葉が、

深く心に響いたFでした☆