祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

絵のない絵本 

今日の長崎は、朝から小雨模様。
残念ながら月は見えそうにありませんが・・・
十五夜の季節に、おすすめの本をご紹介☽

「絵のない絵本」(若い人の絵本)童心社
作・アンデルセン/訳・山室静/絵・岩崎ちひろ

アンデルセンといえば童話が有名ですが、
こちらは、アンデルセンによる、
短めのアラビアンナイト?
とも言えましょうか。
月が毎晩、貧しい画家志望の
青年の部屋に顔を出し、
古今東西、世界中で垣間見てきた、
様々な人生模様を話して聴かせる、
33の短編集。
昔、実家にあった古い本ですが、
何だか心に残っていて、大人になって
買い直してしまいました。
どの物語も詩的で美しく、
口に入れたらすぐに溶けてしまう、
極上の砂糖菓子ような味わい。
子どもの無邪気さ、恋人達の切なさ、
湧き上がる希望、など、
訳者の山室静さんの言葉を借りるなら、
人生の滋味に溢れています。
何より、いわさきちひろさんの
抒情的なモノクロの挿し絵が、
見事に物語の一部となっている…!
絵だけ見ていても、
静かな感動を味わえます。
童話館ぶっくくらぶのコースでは、
アンデルセン童話は小学校高学年
くらいから、おすすめしています。
出版社の副題に(若い人の絵本)と
書いてあるこの絵本。
自分の為の1冊として、枕元に
置いておくのもいいかもしれません~🌛
スタッフF