西遊記② 西遊記(少年文庫)
先日に続き、西遊記のお話を♪
今回は、じっくり読みたい方向け。
「西遊記」上中下 岩波少年文庫
呉承恩・作/伊藤喜麿・編訳
こちらの文庫は、10巻ある原作を、
児童向けに 3巻にまとめたもの…ですが、
1章が1つの作品になりそうな、内容の濃さ!
旅のメンバーが 揃うまでに、上巻の半分。
主人公の孫悟空の 天界時代の 話だけで、
1本の 映画になるほど・・・!
ストーリーは、前回ご紹介したので、
今回は、背景やキャラクターについて☆
孫悟空🐵
短気だけど、賢くめっぽう強い、一行の兄貴分。
天界で大暴れして、石山に
500年も 閉じ込められる前は、
修行で 72通りの術を習得した 猿の王様でした。
三蔵法師に救われ、真心を込めて 支えていますが、
悪さをすると、呪文で 頭の輪っかを
絞められ、苦しむ羽目に…!
(改心してるのに、しょっちゅう誤解され、
懲らしめられたり 破門されたり…
ちょっと 気の毒に💦)
猪八戒🐷
天界の罰で、大食いの ブタの姿に
変えられた 孫悟空の 弟分。
嫉妬して よく嘘をついたり、
ものごとを ひっかきまわしますが、
どこかユーモラスで憎めません。
沙悟浄🥒
こちらも 天界の罰で 川の妖怪の姿に。
よく問題を起こす 兄貴分2人(匹?)
に 気を遣いつつ、全員と ほどよい
バランスの 空気のような存在。
三蔵法師🌕
徳が高く、その肉を食らうと
不老長寿になると 言われるほどですが、
いつも 妖怪や人間に 狙われ、
危機に陥ることに…!
意外と 単純に 騙されてしまうので、
悟空たちは 振り回されて 守るのが大変。
結局、何度も 救われて 後悔して
謝るという パターンの 繰り返し!?
(実在の人物です)
妖怪たちの正体は、たいてい、
逃げ出した、神仏たちの
童弟子や 番の動物 だったり、
罰を受けた、天界の者だったり。
三蔵法師の白馬も、もとは神龍でした🐎🐉
背景にあるのは、
天界と地界、神仙と仏、動物や人間の妖怪 が
いっしょになった 仏教と道教の世界。
老若男女問わず 武術や気功術を使えたり、
修行のために 仙人に弟子入りは 普通で、
山や砂漠、洞窟や湖など 大自然、
(たいてい 妖怪や仙人の住みか)
唐の宮廷(とにかく豪華絢爛)、
貴重な丹薬(不老長寿の薬や毒) などなど、
中国ならではの 舞台や小物も あちこちに♪
興味のある方は、各章にある 丁寧な註釈で
中国の風習や文化が よくわかります。
(例えば、目下の者にしか、本名で呼ばない、とか)
子どもの頃は、悟空の強さや 冒険小説としての
面白さに、夢中になりましたが、
大人になって読み返すと、
それぞれのキャラクターの関係性
(特に、三蔵と悟空!)や、背景の世界観が
興味深くて、何倍にも 楽しめました!
ドラマや映画から 入った方も、
時間があったら ぜひ、
原作の 西遊記も 読んでみてください☆
(※三蔵法師が 女難にあう「西粱女国」は、青少年向けの文庫からは、抜かれていますが、「絵本西遊記」には、入っています。読みたい方は、そちらを!)
中国歴史ドラマなど観てから、読み直してみると、新たな発見がたくさんあった スタッフFでした〜