祈りの丘絵本美術館ブログINORI-NO-OKA Picture Book Museum BLOG

開館20周年!

2019年6月15日で、祈りの丘絵本美術館は、

お陰様で 開館20周年を迎えました!

当館の玄関の上;
「あすはきっと」の絵本を抱えた少年と子ぐまが語り合うブロンズ像

当館は、1999年に、それまで長崎市の中心にあった

「こどもの本の店童話館」を1階に移し、

2階~絵本の絵を美術として鑑賞する美術館として、

大浦天主堂やグラバー園のある

長崎港を見下ろす丘にオープンしました。

 

その頃は まだ庭も半分の広さで、

今よりも もっと穴場感が強く、

絵本のお店と知らずに、観光地の奥に佇む

れんが造りの洋館に ただ惹かれて、

入ってくるお客さまも 多かったように思います。

 

開館時の記念企画は、「現代日本の絵本画家展」。

太田大八(以下敬称・略)、清水崑、丸木俊、馬場のぼる、大道あや、

長新太、ましませつこ、小野かおる、田島征三、飯野和好・・

と2年半かけて、そうそうたる面子の絵本作家の方々が

オープニングの展示を飾って下さいました。

その後も、太田大八さんコレクションや大道あやさんの常設展を中心に、

現在の開館20周年記念展示の長谷川集平さん、

10周年記念に講演して下さった東平哲彌さん、その所縁の中村忠二さん、伴敏子さん、

清水汀子さん、小林豊さん、太田大輔さん、

イラクの子どもたちの絵、震災後の東松島の方々の墨絵の会、C型肝炎と闘う母娘の刺繍展、

海外作家では、スベン・オットーのアンデルセン童話、「ヴィクターとクリスタベルーそっと恋して」の原画など、

さまざまな展示を多くの方に観ていただきました。

 

1周年には、ましませつこさんの「ねんねんよー」子守り唄コンサート、

7周年には、長崎出身のジャズ音楽家の小國雅香さんコンサート、

「かにむかし」展示の時は、定成淡紅子さんの音楽教室と長崎のマリンバ奏者による音楽劇、

企画展ごとの作者のギャラリートーク、おはなし会講習など、

イベントも数多くありました。

 

この20年で、ぶっくくらぶの会員さんだったお子さんが

大きくなって、スタッフとして手伝ってくれたり、

卒業したスタッフが結婚して、子どもを連れて遊びに来たり、

時の流れを感じます。

館長も2代目になり、時代も変わりました。

今では、観光客や絵本関係者だけでなく、

地元の方や海外のお客さま、修学旅行生も多くなり、

たくさんの方に愛されて、20周年を迎えることが出来ました。

 

今は天で見守っている初代の館長、

展示にご協力下さった絵本作家の方々、

ご来館下さったお客さま、童話館ぶっくくらぶの会員さま、

歴代のスタッフ、建築家や庭師さんたち・・・

これまで支えて下さった全ての皆さまに、

心より感謝申し上げます。

 

「子どもには美しいものへの感性を育ててもらいたい。

そして、すべての人々の“内なる子ども,,に語りかけるような

絵本の絵との出会いの場をつくりたい。」

という想いから 作られたこの場を、

スタッフ一同、変わらぬ笑顔で

これからも、大切に守っていきたいと 思います。

 

20年以上前・・・

まだ長崎に来て間もなかった頃、

当館の設計のラフスケッチ画を見せてくれて、

「絵本の美術館を建てる予定なんだ・・・」と

嬉しそうに語ってくれた前代表の顔を

思い出したFでした☆