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6月4日 武士の日


 

 

6月4日は「武士の日」です。

「武(6)士()」と読む語呂合わせと、「大坂夏の陣」(注)で豊臣家が滅亡した日が新暦1615年6月4日といわれていることに由来し、とあるNPO法人によって制定されたそうです。

武士と聞いて、皆さんはどんなことを思いだしますか? 武具を身につけた凛々しい姿、その剣術、いえ、実在した特定の人物を思いだす人もいるかもしれません。映画やアニメーションのモチーフになることも多いので、子どものころに憧れたという人もいるでしょう。私も子どものころ、新聞紙を細長く丸めて刀らしきものを作り、家族や友だちとごっこ遊びをした記憶があります。そして、戦いが終わると腰のベルト部分に刀を納め、気分はまさに「武士」! かれこれ数十年前のことですが、今となっては懐かしい思い出です。

 

「武士」といえば、絵本の定期便「童話館ぶっくくらぶ」にも、戦国時代の少年武士が登場する作品があります。それは、「大きいりんごコース」(およそ1011才)でご紹介している『サムライでござる』です。

京都の亀岡市で毎年行われている明智光秀を奉る武者行列。そのさなか、突然の稲妻と雷とともに馬に乗った少年が現れます。その少年は、自分は明智光秀の家臣、稲葉小太郎だと名乗ります。400年前から突如タイムスリップしてきた小太郎には、現代に身寄りがあるはずもなく…。中学2年生の哲也・小学5年生の健二きょうだい家族と暮らすことに…。

戦国時代から現代にタイムスリップしてきた小太郎は、はじめこそ戸惑いますが、警察に刀を渡したり、まげを落としてジーンズ姿になったり、と現状を受け入れ、翌日にはそこで生きていく決意をしています。また、戦いや、人の死がすぐそばにある時代を生きてきた小太郎にふれ、哲也が「昔の15才って、こないに、ものすごいもんか……。」と感じているように、私もまったく同じように感じ、その年令を想うと、元の世界に戻ってほしいようなほしくないような複雑な気持ちにもなりました。

このように、歴史的な要素だけではなく、登場人物の心情描写にも惹きつけられる作品です。もちろん、子どもだけではなく大人の皆さんにもじゅうぶん楽しんでいただけると思います。

 

そして最後に…。剣術が注目されがちな武士ですが、実はあの徳川家康は、読書好きだったことでも知られています。歴史・兵学・法律・軍記・仏教・儒教など、幅広く関心があり、なかでも歴史上の人物について記されたものは特に愛読していたとか。家康が成し遂げた天下統一には、読書で得た知識がおおいに関係していたことも想像にかたくありません。こどもの本の仕事をしている私たちにとっても、嬉しいエピソードです。

さて、皆さんもぜひ、この「武士の日」をきっかけに、日本の歴史や戦国武将について、改めて触れたり調べたりしてみてはいかがでしょうか。

(注)徳川家と豊臣家の戦い。この戦いにより豊臣家は滅亡し戦国時代は終焉、徳川家の天下が盤石となった。

 

(担当:E)

 


 

 『サムライでござる』

 広瀬寿子/作
 曽我舞/絵
 童話館出版▶詳しくみる

 「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース  ▶「大きいりんごコース」(およそ10~11才)

 

 

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