童話館スタッフ思い出・イチオシ この1冊 第7回
「童話館ぶっくくらぶ」の「小さいくるみコース」(およそ3〜4才)でお届けしているこちらの絵本は、「ほわほわとうさん」と「ほわほわかあさん」と「ほわほわぼうや」が登場する、とてもあたたかくて、会員の皆さんからもにんきの1冊(あらすじはこちら)です。
わが家でも、私はもちろん、子どもたちも大好きで、思い出深い1冊です。
上の子がまだ3才くらいのときでしょうか。とにかく何度もリクエストされ、読んであげた記憶があります。なかでも、お話の最後に登場する「ほわほわとうさん」と「ほわほわかあさん」が、「ほわほわぼうや」の手をにぎりながら、「おねむり おねむり ほわほわぼうや…」と子守唄を歌ってあげる場面がお気に入りで、私がかってにつくった節で一緒に歌いながら、くり返し楽しみました。
そして、数年後、下の子が生まれると、お兄ちゃんになった上の子が、ぐずってなかなか寝ない下の子に、きまってその子守唄を歌ってあげるように…。すると、下の子はなぜか泣きやみ、にこにこと笑顔になりました。上の子は、泣きやんだ下の子を見て、嬉しそうな、なんともいえない誇らしげな顔で、「赤ちゃん、泣きやんだね」と言ってきていたのをよく覚えています。
そして私は、ふたりのようすを見て、なんだかとても嬉しく、ほほえましい気持ちになり、ふたりを頼もしく感じていました。
そんなふたりももう小学生。時には私に反抗的な態度をとったり、きょうだいげんかをしたりするふたりに手を焼きながらも、成長を垣間見ては、嬉しさとともに淋しさを感じたりしています。
それでも、あのころのほっこりとした、しあわせな時間はいつも私たちのなかに残っていて、きっとこれからも支え続けてくれるのではないかと感じています。
ほわほわ、しあわせな気持ちになる『ちっちゃなほわほわかぞく』、ぜひ皆さんも読んでみてはいかがでしょうか。
(担当:N)
『ちっちゃな ほわほわかぞく』
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作
ガース・ウィリアムズ/絵
谷川 俊太郎/訳
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「童話館ぶっくくらぶ」での配本コース ▶「小さいくるみコース」(およそ3~4才)
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