ぞうさんレポート 2)出版準備、着々進行
新刊発売の準備も着々と進んできました。
書店さまに新しい絵本が届くまでに、準備するものはたくさんあります。
今回は、「ぞうさん」が流通準備のようすをレポートしてくれました。
ぞうさんレポート
#2 出版準備 -着々進行-
8月下旬のある日。
編集部に荷物が到着。
(何が届いたのかな?)
届いた荷物を開けると、でてきたのは、(スリップだ~!)
早速、届いたスリップを確認!
書名、よし。
出版社、よし。
ISBN、もよし。
価格も、OK!
まちがいがないように、鼻指し確認と、ダブルチェック。
(うん、だいじょうぶ!)
スリップかんせーい。早く、本にさしこみたいなぁ。
9月中旬のある日。
また、編集部に荷物が届いたよ。
(今度は何かな~?)
届いた荷物を開けると、でてきたのは、(バーコードシール!)
早速、確認っ!と思ったけど…。
バーコードリーダーが……ない…。
………。
気を取り直して、バーコードを確認。
(うん、だいじょうぶ!)
同じころ、新刊案内のちらしも完成!
取次さんに送って、っと。
(たくさん、注文してくれますように!)
準備がどんどん進んでいって、いよいよ絵本が出るって感じがして、わくわく。
書店に並ぶのがとっても楽しみ。
(みんな、楽しんでくれるといいなぁ~)
今回の「ぞうさんレポート」はここまでです。
肝心の絵本の仕上がりはもう少し先ですが、ひと足先に、書店に本を流通させるための準備が、着々と進んでいます。書店に並び、皆さまのお手元に届く日を楽しみに、編集部もラストスパートで、頑張っています。
今回も表紙の一部をご紹介します。
「あなたのこと ときどき かわいいとおもえなくなるわ」
と聞こえてきそうな表情ですね。
それでも、最後には、優しくラルフを受け止めてくれるのでしょう。
セイラとラルフに出会えるまで、あと少しです。
さて、ここで、「ぞうさんレポート」に登場した、出版用語?についてご紹介します。
まず、「スリップ」とは、書籍にはさむ、二つ折りの細長い伝票のことです。片面が「売上カード」、もう片面が「注文カード」になっています。つまり、このスリップで、売上の管理と書籍の注文ができるんですね。書店で書籍を購入すると、会計の際に、書店員さんがスリップを抜いてくださいますので、あまり目にする機会はないかもしれません。
最近はデジタル化がすすみ、スリップを抜かないことも多いようなので、もし挟まったままでしたら、見てみてくださいね。
次に、「ISBN」とは、「International Standard Book Number」(国際標準図書番号の略称)です。現在は13桁で構成されていて、「978」(接頭記号:書籍を表していて日本では978)-「4」(国番号:出版している国を表していて、日本は4)から始まります。そのあとは、出版社記号-書名記号-チェック数字、と続きます。1冊ずつ、番号があてられていて、この「ISBN」で書籍を管理できるようになっています。
そして、バーコードは、縞模様状の線の太さによって数値や文字を表す識別子の一種です。書籍ではバーコードは2段になっていて、上の段が「ISBN」、下の段は「Cコード(図書分類コード)」などを組み合わせたものです。Cコードは、裏表紙のISBNの近くにあるCから始まる4桁の番号(新刊のCコードは「C8797」)で、1桁目が販売対象、2桁目が形態、3・4桁目が内容を表しています。
それでは、2段目のバーコードシールを見てみましょう。
「192」(接頭記号:2段目の始まりを表している)-「8797」(Cコード:8:児童、7:絵本、97:外国文学小説)-本体価格(5桁:上のバーコードだと、01500、つまり1,500円)-チェック記号、となります。
バーコードシールはよく目にされると思いますが、実は童話館出版の絵本では、新刊発売のときだけ、このバーコードシールがついているんです。シールははがせるようになっていますが、新刊で買った記念につけておくのもいいかもしれないですね。
最後に取次(正しくは出版取次)とは、出版社と書店をつないでくださる流通業者です。出版社が発行した書籍を仕入れ、書店へ送ってくださったり、さまざまな情報を集約し、出版社や書店へ伝えてくださったりします。作成した新刊の案内を取次に送り、取次から書店に、新しい絵本が出版されることを伝えてもらっています。
いかがでしたか。
あまり目にはふれない部分だと思いますが、「バーコード」の数字の意味もチェックしてみてくださいね。
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